思い
企画・監修の石川はるえ氏とイラスト担当のなるかわしんご氏

企画・監修の石川はるえ氏とイラスト担当のなるかわしんご氏に、
今回の絵本の制作秘話、絵本に込めた思いを語ってもらいました。


石川はるえ/なるかわしんご



石川はるえ
こんにちは。
なるかわしんご
こんにちは。
石川はるえ
この絵本を作ろうと思ったきっかけは、東海若手起業塾で生川さんとの出会いでしたね。その時、生川さんは虐待をテーマにした小さな絵本を作られていて、私はとても興味を持ちました。虐待をテーマにした思いというのはどんなところですか。
なるかわしんご
東海若手起業塾で自分が今、虐待のことがやりたいと明確に言えるようになったのです。以前はなんとなく自殺や、世の中で社会問題が起きていることへの怒りがありました。なんで自分が社会に対して怒っているのかなと突き詰めていくと、自分の幼少期の体験とか父親との関係性といったところが大きく影響していることに気が付きました。そこから感情が紐づいたというのが大きな動機ですね。
石川はるえ
それはお父様との関係ですか。
なるかわしんご
簡単にいうと虐待されていたという事実があって、それも調べていくと父親もまた自分の父親から虐待を受けていたという連鎖がありまして、なんかこれは自分ごとだけどこういうことが世の中にいっぱい起きていると気づいたら、もうやらないとだめなんじゃないかというのが一番大きなエネルギーということです。

石川はるえ
私もいろんな社会起業家のメンターをさせて頂いていますが、このテーマについて真正面から向き合っている生川さんに興味がありました。介護の領域でも高齢者の虐待というのがあります。児童も高齢者もこの問題はすごく見えづらいので大きな悩みのところでもあるわけですね。そのような思いがあるなかで、ツールとしての絵本、いいと考えたわけです。日本の今の状況をどのように考えていますか。
なるかわしんご
公式的には虐待の相談報告件数というのは年々増加しています。平成29年度は133,778件です。結局誰かが気づいたからその件数が上がっているだけで、見えていない所を含めるともっとあるのではと感じています
石川はるえ
最近ニュースなんかでも大変悲惨な虐待の事件が報道されています。悲惨な状況になる前になんとかできないか、私たちのこの取組みもそこからの思いが出発です。日本は、親権の強さが世界と見た時にかなり遅れているなと思いますが、生川さんどう思います。
なるかわしんご
海外とはスタートが違うと思います。子供の権利というのが弱いですね世界的に見ると。
石川はるえ
私たちとしては、絵本をツールに予防をしていこうと、今3冊目を手がけています。1冊目「あっぷっぷ」、2冊目「やったあ」、3冊目「みてみて」とキーワードから想像して頂き、言葉のない絵本を制作しました。
クマさんのキャラクターに朝昼晩のシーンを描いていきました。描くにあたって生川さんが苦労した、大変だなぁということはありましたか。
なるかわしんご
最初にちっちゃい絵本として作ったときには人間を描いていたのですけど、そうすると家族背景とか構成とか限定的になってしまうので届く人にも届かないのではと色々議論しまして、動物で人間味にする、もしくは性別がわからないような書き方をしていったほうがいいのではと、このような形をとりました。
石川はるえ
これは、絵本というよりもちょっと変わったワーク冊子ですかね。
なるかわしんご
不思議な(笑)。

石川はるえ
絵本シーンは関係を作ること、あそぼレシピは身体を動かす、食べ物をいれようと1冊目は きゅうりもみ を入れて、いくつかのシーンをいっぱい作ることで関係性を作っていこうと、ネタが切れちゃったみたいなことはありませんでしたか。
なるかわしんご
3つしか選べないので構成上どれをするかは苦労しましたね。
石川はるえ
作るにあたって、生川さん自身のお子さんと色々トライしたと聞いていますけど、どうでしたか?
なるかわしんご
成長の変化によって興味をしめさなくなり、急にやりはじめて違う遊びに変わるとか、子供の興味が変わるのが面白いと。
石川はるえ
おいくつですか?
なるかわしんご
3歳になりました。
石川はるえ
この絵本は、0歳から6歳までと考えていましたが、年齢はどうなのですかね。3歳のお子さんにぴたっとはまるとかいろいろあると思うのです。
なるかわしんご
何歳でもいけるといったら語弊があるのですけど、大人の声かけと場の雰囲気に合わせて演出して使ってもらえれば、小学生とかでもできるかなと思います。

石川はるえ
もうひとつはこの絵本だけでなくワークショップを、新しい形のワークショップを作ろうということで両方を動かして世の中に広めていきたいと思っています。
絵本で遊び方、使い方を広めていくという意味でもワークショップをやっていければいいと思っていますが。
なるかわしんご
基本的に遊びにあんまりお金をかけなくてもいい、比べなくても親御さんとか 子供さんがちゃんと接して楽しんでいただければいいなぁという願いがあります。
石川はるえ
私の孫も6歳と4歳、やっぱりペットボトルの中に紙を入れて、ボーリングみたいに、自分達で作って、遊びを開発していくという喜びというのがあると思うのです。
買ってきたおもちゃってすぐ飽きてしまう。
これからどういう風にこの虐待予防というのを広めたらいいと思います?
なるかわしんご
巻末に「たすけびと」というページがありまして、色々書き込めるところがあります。当事者として助けてということを外に言えないですし、助けてもらうという概念がそもそもないというのがあります。 助ける人数が多ければ多いほど予防につながったり、防止につながったりすると思うのです。
石川はるえ
私たちの地域から、日本から、世界から虐待という言葉と、現実がなくならないと。
親子であるとか、関係が濃い人たちが虐待をしている現実をまず多くの人たちが知り、行動する。これからもよろしくお願いします。
なるかわしんご
よろしくお願いします。

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